古くから日本人が食べてきたうどん。
消化がよく、体調が悪いときの定番メニューでもあります。
それなのに、なぜ食べすぎると危険なのでしょうか?
それは、次のような理由があるからです。
注意ポイント
- 糖質のとりすぎで糖尿病の危険
- つゆが濃く高血圧を招きやすい
- グルテンのとりすぎによる腹痛
順番に解説していきます。
1.糖質のとりすぎで糖尿病の危険
うどんは糖質の高い食品です。
糖質のとりすぎは、糖尿病の危険をはらんでいます。
事実、うどんを愛する香川県では、糖尿病による死亡率がとても高くなっているのです。
うどんは糖質が高い!
うどんの1玉はだいたい200gで、カロリーは210kcalです。
カロリーだけを見ると、とてもヘルシーに思えますね。
実際、「うどんダイエット」というものも存在するほどです。
ですが、うどんで注意したいのは「糖質」。
うどんはものすごく糖質の高い食品で、1玉200gあたり110gにもなります。
なぜ糖質のとりすぎが良くないのか
そもそも、なぜ糖質のとりすぎは良くないのでしょうか?
糖質は、体のエネルギーに変わる大事な栄養素です。
しかし、全てがエネルギーになるわけではなく、余分なものは脂肪へと変わってしまいます。
さらには、糖尿病にかかるリスクも増えてしまうのです。
糖質が多い食事をとると、血液中のブドウ糖(血糖)の量が急激に上昇します。通常であれば、すい臓からインスリンが分泌され、2~3時間もすれば食事前の血糖値に戻りますが、糖質をとりすぎたり血糖値を急上昇させるような食べ方をしたりすると、血糖値がうまく下がらず、糖尿病をはじめとしたさまざまな健康トラブルの原因になります。
引用:大塚製薬|栄養ラボ
糖尿病は「生活習慣病」のひとつで、遺伝的要素、運動不足なども原因になりますが、食生活も大きく関わってくる病気です。
また、血糖値の急上昇を抑えたいなら「GI値」も重要です。
GI値とは、次のようなものです。
炭水化物が分解され、糖に変わるまでのスピードを現した数値です。一般的にGI値の低い食品は、血糖値が急激に上がることの抑制効果が期待できる食品といわれています。逆にGI値の高い食品は、血糖値を急に上げてしまうことになります。
実は、うどんはGI値が高い食品です。
そばと比べると糖質の量はほとんど変わりませんが、GI値はかなりの差があります。
- うどん:85
- そば:54
そばよりもうどん派である人には、少し悲しいお知らせですね・・・。
「うどん県」香川は糖尿病率が高い
うどんと言えば香川県ですね。
自ら「うどん県」を名乗っているほどです。
そんな香川県、実は「糖尿病による死亡率」が全国ワースト1位~3位の間をウロウロしているのです。
高齢者が多いこと、車社会による運動不足も原因ではありますが、やはり「うどんの食べ過ぎ」が大きいと考えられています。
ー命を賭してうどんを食べる県民性ー
うどん県アピールも良いですが、県民の健康状態を考慮してあげた方がよさそうですよね。
うどんって、のどごしがよく食べやすいからか、1玉では足りなくて1食で2玉、3玉と食べたりしませんか?
さらに、糖質の多い炭水化物の「重ね食べ」をやりがちです。
やばいやつ
- うどん+おにぎり
- うどん+いなり寿司
- うどん+丼もの
うどん屋さんでもよくあるメニューですよね。
しかしこういった食べ方は、糖質が多すぎて健康的ではありません。
日本人が一日に摂取すべき炭水化物の目安は320gなのに対し、うどん1玉はだいたい200g。
2玉食べれば400g、おにぎり2個と一緒に食べれば360gで、すぐにオーバーしてしまいます。
重ね食べは避け、炭水化物以外の栄養も取れるようにメニューを選ぶことが重要です。
トッピングにわかめやネギ、卵をたっぷりと。
サイドメニューにサラダやお浸し、おでんなどを選んでもいいですね。
つゆが濃く高血圧を招きやすい
うどんの食べ過ぎでもう一つ気をつけたい病気が「高血圧」。
塩分のとりすぎが高血圧につながることは、よく知られていますよね。
塩分と血圧の関係は、まだ十分には解明されていませんが、塩分(ナトリウム)を過剰摂取すると血液の浸透圧を一定に保つために血液中の水分が増えるため、結果的に、体内を循環する血液量を増やします。このため、末梢血管の壁にかかる抵抗が高くなり、血圧を上げてしまうと考えられています。
引用:A&D
うどんは、残念なことに塩分の高いメニューでもあるのです・・・。
日本人の塩分摂取量の目安は、男性で1日8g未満、女性で1日7g未満です。
ところが、きつねうどん一杯の塩分量は約6g。
他の食事を合わせれば、あっという間に塩分オーバーですね。
うどんの塩分量は、半分以上がつゆに含まれています。
つゆは飲み干したいところですが、健康のためにぐっとこらえましょう。
グルテンのとりすぎによる腹痛
うどんには、独特の「モチモチ感」がありますよね。
これは、「グルテン」という小麦粉に含まれるたんぱく質によって生まれる食感です。
グルテンはうどんの他にも、ラーメンやパン、焼き菓子といった様々な食べ物に含まれています。
実はこのグルテンが、体の不調を招いている原因かも知れません。
近年、グルテンによる疾患には次のようなものがあることが分かってきました。
- セリアック病
- グルテン過敏症
- グルテン不耐性
「セリアック病」とは、こんな病気です。
セリアック病とは、このグルテンに対し異常な免疫反応が生じることで、自分自身の小腸粘膜を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。グルテンへの異常な免疫反応によって小腸が障害を受けると、栄養の吸収に支障が生じ、腹痛や下痢などの症状が現れます。
引用:Medical Note
セリアック病は遺伝的要素が強く、欧米人に多い病気です。
日本人が気をつけたいのは「グルテン過敏症」や「グルテン不耐性」でしょう。
慢性的な不調に悩む人の中には、小腸がグルテンに過敏反応する『グルテン過敏症』や、グルテンをスムーズに消化できない『グルテン不耐症』の人たちがいる。正常な人の場合、小腸の粘膜の細胞は適度につながっていて、必要な栄養素だけを取り込み、不要な毒素や細菌はブロックする。しかし、グルテン過敏症や不耐症の人の場合、グルテンをとると小腸の粘膜の細胞間が緩むため、毒素が入り込んで、炎症を起こしてしまう
「うどんを食べると、どうもお腹の調子が悪くなる・・・」という方は、もしかしたらグルテンが原因かもしれません。
まとめ
とてもおいしいうどんですが、色々と危険でやばいことが分かりましたね。
しかし、あくまでも「食べ過ぎたら」の話です。
うどんに限らず、適量を意識して、栄養バランスの良い食事を楽しみましょう。