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稲庭うどんの特徴と歴史|製法や産地の発祥と由来とは

稲庭うどん 特徴 歴史

日本に数あるうどんの中でも、特に人気の高い、有名なうどんがいくつかあります。

その一つが、稲庭うどんです。

秋田県の湯沢市にある、稲庭地区で製造されているうどんです。

 

この稲庭うどん、意外なことに300年以上の歴史を持ちながら、一般に出回るようになったのは昭和になってからです。

それまでは地元の人でもめったに食べられない、高級品でした。

それがなぜ、秋田名物として全国に知られるまでになったのか?

稲庭うどんの特徴や歴史とともにご紹介します。

 

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稲庭うどんの特徴

稲庭うどんの特徴は、ツルツルとした滑らかな食感です。

この特徴を出すために、独自の製法が長く守られてきました。

油を使わない、打ち粉にでんぷんを使うなど、原料へのこだわりに加え、工程にも稲庭うどんならではのものがあります。

 

中でも特徴的なのは、手綯い(てない)という工程です。

これは、こねた生地を細く延ばした後、手でよりながら棒にあやがけしていく工程です。

こうすることで麺の中に気泡ができて、滑らかな食感の麺に仕上がります。

 

こうした製法は、稲庭うどん創業者の家系にだけ、代々伝えられてきました。

長く門外不出とされ、創業家以外には稲庭うどんを作ることができませんでした。

なぜ特定の家だけに伝えられることになったのか、理由は稲庭うどんの歴史にあります。

 

稲庭うどんの歴史

稲庭うどんは江戸時代、秋田藩の稲庭地区で誕生しました。

稲庭で質の良い小麦が採れることに着目した領主が、うどん作りを奨励して誕生したと言われています。

秋田藩から将軍家や他の大名へ贈られるようになると、たちまち評判となりました。

 

また明治時代になると、当時の宮内省御用達となり、皇室にも納められるようになります。

この間、生産数が非常に少なく、一般に出回ることはありませんでした。

稲庭うどんの製法は製法を確立した稲庭吉左エ門と、その一族にしか伝えられてきませんでした。

秋田藩から一子相伝、門外不出とするよう命じられていたためです。

作り手が限られていたことから生産量も増えず、地元の方でもめったに食べられない、という高級品だったそうです。

 

昭和に入ってから製法が公開され、作り手が増えたことで生産量が増えていきました。

このころから、徐々に一般にも名前が知られるようになります。

 

平成に入ると、さらに販路が拡大され、秋田県外でも購入できるようになりました。

また、秋田県のご当地グルメとしてメディアで取り上げられる機会が増えていき、知名度が急上昇します。

こうして、秋田の中でも限られた地域でしか知られていなかった稲庭うどんは、比内地鶏やきりたんぽと並び、秋田名物として広く知られるようになりました。

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稲庭うどんの食べ方

稲庭うどんは冷たい麺で食べられることが多いです。

麺本来の味や香りを楽しめることから、冷やしを好む方が多いようですね。

ざるうどんにして、薬味を添えて食べるというのが人気です。

稲庭うどんは温かいつゆをかけて食べるのもいいが、イチオシはざるうどんタイプ。見た目からして完成された美しさだ。早速頂くと、極細のストレート麺はつるつるとした口当たりで、ゆで加減はパスタのアルデンテのごとく、硬めでコシのある仕上がり。

引用:農林水産省 日本全国の麺文化をご紹介! ニッポン麺探訪 第3回
稲庭うどん[秋田県]

とはいえ、元々の産地は雪深い秋田県。

寒い季節にはもちろん、温かい汁と合わせて食べられてもいます。

暑い季節には冷やしで、寒い季節には温かい麺でと、一年を通して色々な食べ方がされています。

一般的に食べられるようになってから、色々な食べ方が考案されてきました。

世に出てまだ日が浅いことを考えると、これからも新しい試みが生まれそうですね。

 

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稲庭うどんの生産量

先に書いたとおり、稲庭うどんが一般に出回るようになったのは、戦後になってからのことです。

創業家である稲庭家と、稲庭家から養子を迎えた佐藤家だけでしか作られていなかったので、生産できる量には限りがありました。

家業なので、売上や生産数を伸ばすことよりも、品質や製法を守り伝えていくことが大事だったのかも知れませんね。

 

そのため、讃岐うどんやきしめんなど、他の有名なうどんに比べると、全国に出回っている量はまだまだ少ないです。

特に、製造は今でもすべて手作業なので、機械で製造できる他の麺類に比べると、どうしても生産数は劣ります。

それでも、製法が公開され、家業から地場産業に変わってからは、お店や通販で購入できるようになりました。

稲庭うどんは、めったに食べられない高級品から、地元の名物へと変わりました。

また、稲庭うどんを提供する飲食店が、日本だけでなく海外にも広がっています。

秋田県湯沢市に本店を構える「佐藤養助」。
ここ台北店は、香港、マカオに続き、海外出店三か国目となります。

引用: たびこふれ稲庭うどんが台湾でブーム!?秋田に本店を構える「佐藤養助」

日本だけでなく、海外でも食べられる機会が増え、知名度が上昇しているようですね。

 

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まとめ

今回は稲庭うどんについてご紹介しました。

古い歴史を持つものの、広く食べられるようになったのはごく最近のことです。

他のうどんと同じくらい世に広まるには、もう少し時間がかかるのかもしれませんね。

とはいえ、ネットやマスメディア上では美味しいと評判ですし、産地でも拡販のために様々な取り組みがされています。

ご当地うどんの新たな定番として、産地の秋田だけでなく国内外に根付くよう、期待したいところです。

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