赤ちゃんが5か月頃になると、いよいよ離乳食の準備が始まります。
スプーンひと口から始まる離乳食。
段々と月齢を重ねるごとに、食べられる食材も増えてきます。
昨今はアレルギーを心配するあまりに離乳食の開始時期が遅くなる傾向や、食材の偏りを指摘されることが多くなってきました。
乳幼児期は、栄養面だけでなく味覚の発達においても大事な時期です。
離乳食作りにおいて、食を進めたいあまりに味が濃くなってしまっては元も子もありません。
- 「食育にはだしが有効と聞いたけど・・・」
- 「離乳食でだしを使えるのは一体いつから?」
- 「アレルギーが怖くない?」
旨味といえば、だし。
本物のだしの旨味をうまく使うことで、本物の味覚を育てることができるのは確かです。
だしと言っても、植物性の昆布だしから、動物性たんぱく質の入ったかつおだしや、煮干しだしなど様々あります。
赤ちゃんの健康を大きく左右するアレルギーの問題もあります。
離乳食には、どのだしをいつから使うのがよいでしょうか?
使うタイミングや種類をご説明しましょう。
赤ちゃんにだしが有効な理由
味覚が未発達と思われがちな赤ちゃんですが・・・
実は産まれる前からある程度の味覚を知っていることがわかっています。
なぜ、産まれる前から味覚がわかるのか。
その秘密は、羊水にありました!
うま味は生まれたばかりの赤ちゃんにとって大切な味です。母乳のなかには、うま味物質のグルタミン酸が豊富に含まれています。母乳だけでなく、お母さんのおなかの羊水にもグルタミン酸が含まれているのです。うま味は赤ちゃんにとって、生まれるまえから慣れ親しんでいる味といえるでしょう。
うま味インフォメーションセンターより引用
慣れ親しんでいる旨味をうまく離乳食に取り入れることで、スムーズに食育を進めていくことができるのです。
離乳食初期のだしは安全か
母乳や、ミルク以外のものを始めて口にする離乳食開始時期(5か月~6か月頃)は、食物アレルギーに最も気を付けるべき時期です。
初めての離乳食は、
- ゴハン
- ジャガイモ
- ニンジン
- カボチャ
などなど・・・
消化が容易くアレルギーのリスクが低い食物が基本です。
これらの中から一種類だけで柔らかく煮て潰した物を小さじ一杯から始めていきます。
いきなりだしを使う必要はありません。
離乳食初期で気をつけたいこと
赤ちゃんが食べやすいようにと、水分を多く使い過ぎてしまうこと。
水分だけでお腹がいっぱいになってしまい、大事な栄養素を必要なだけ摂れないことになってしまいます。
また、思ったように赤ちゃんが食べてくれないからと、味をつけてみたりするのは危険。
濃い味にいきなり慣れてしまうと、大事な味覚を損なうだけでなく成長にも影響を及ぼしてしまうリスクがあります。
離乳食で安易なだしの使用は危険
「濃い味はダメだから自然の旨味を取り入れよう!」
と、安易に動物性のだしを使うのは、ちょっと待ってください!
※かつお節、煮干し、あごだし、干しエビや、鶏など。
魚アレルギーの多くの人は、カツオブシや煮干しのダシには反応がありません。ただし、粉末ダシになったものを沢山摂取すると、反応する場合もあるようです。
魚は、比較的典型的な即時型食物アレルギー症状として蕁麻疹やアナフィラキシーを起こします。魚アレルギーは、乳児期から始まっていることが多く乳児のしつこい湿疹の場合は魚アレルギーも疑ってみることです。認定NPO法人 アレルギー支援ネットワーク より引用
このように、アレルギーを起こしやすい魚類を使っただし。
消化器官が未熟な離乳食開始時期では、まだまだリスクが高すぎます。
赤ちゃんの消化器官が色々な食材に慣れた頃の、離乳食中期以降で取り入れる方がよいでしょう。
離乳食初期では、野菜だしを使いましょう
離乳食初期には、昆布だしや野菜だしなどアレルゲンとなりにくい植物性のだしが安心です。
野菜のだしは、アクの少ないタマネギや、きゃべつ、白菜などを水から煮ることで甘みのある美味しいだしがとれます。
1週間くらいで使い切れるくらいの量を作って、製氷皿などで冷凍保存すると便利に使うことができすよ。
「体調を崩してしまってストックが無い!」という時は、通販品でも便利に使える野菜だしが出ています。
5種類の野菜(玉ねぎ、人参、キャベツ、白菜、セロリ)から抽出した顆粒状の旨味だしです。
食塩、コショウ、にんにくなどのスパイスや、化学調味料無添加で、離乳食づくりでも安心して使えます。
離乳食の始まる時期は、赤ちゃんの動きも活発になり、ますます目が離せなくなりますよね。
時短で離乳食を手作りするなら、顆粒タイプのだしを利用することで育児ストレスも軽減です♪
旨味たっぷりの動物性だしは離乳食中期から
離乳食中期の7~8か月頃になると、いよいよ旨味たっぷりの動物性のだし、かつお節や煮干しを使っただしが使えます。
動物性たんぱく質の入っただしの旨味で、離乳食もさらに進むことでしょう。
通販のかつおだしが様々出ていますが、ここでは塩分に注意が必要です。
乳幼児でも安心して使える『塩分無添加のだし』を使うようにしましょう。
かつおだしを少し舐める程度で試してみて大丈夫なら、赤身の魚を離乳食に取り入れてみるのもおすすめです。
家族の味噌汁をつくる時、味噌を入れる前に赤ちゃんの分を取り分け離乳食に利用することも一つの方法ですね。
塩分無添加の昆布とかつおだし
原料に焼津産鰹荒節と利尻産昆布を使用した、保存料/化学調味料無添加で、無塩のだしです。
離乳食にも安心して使えるのみならず、家族みんなで美味しい味噌汁や煮物をいただけます。
まとめ
- 離乳食初期5か月~6か月:野菜だし
- 離乳食中期7か月~8か月:動物性だし
消化器官が未熟な初期の頃(5~6か月)はアレルギーを起こすリスクの少ない植物性の昆布や野菜だしが安心です。
色々な食材に慣れてきた中期(7~8か月)に入ったら、動物性たんぱく質の入ったかつおだしや煮干しだしが使えます。
かつおだしや、煮干しだしの旨味で、さらに食欲を刺激して食べることが楽しくなることでしょう。
毎日、赤ちゃんのお世話に追われる日々。
ついつい手軽なベビーフードに頼りがちです。
ですが、美味しいだしの旨味を上手に利用することで、手間暇かけずとも赤ちゃんの味覚を育てる離乳食はつくれます。
最初のうちは、なかなか食べてくれずに焦って泣きたくなることもあるでしょう。
パクパク食べてくれる日や、全然食べない日もマチマチ。
あまりマニュアルに捉われることなく、赤ちゃんのペースで一口づつ進めていければ大丈夫です。
ミルクや母乳は欲しがるだけ与えることは忘れずに!
離乳食づくりは、素材の旨味をうまく引き出すことができるだしを適切に使って、赤ちゃんの将来に渡る健康と味覚を大事に育んでいきましょう。
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