春雨とビーフンって・・・見た目ソックリですよね。
どちらも少し透き通った細い丸麺。
ただし、調理法や食感が微妙に違います。
春雨はスープやサラダ、ビーフンは焼きビーフン。
春雨はコシがあって、ビーフンは柔らかめの食感。
この違いはどこから来るのでしょうか?
注目していきます。
春雨とビーフン どちらも中国からやってきた麺
春雨とビーフンは、どちらも中国が発祥地です。
春雨の発祥地は山東省、朝鮮半島や日本に比較的近いエリアになります。
そのためか、春雨は鎌倉時代には日本に入ってきていました。
対してビーフンは中国の南部、福建省が発祥地。
ビーフンが日本で普及したのは昭和になってからと、春雨よりもかなり後なのです。
日本にやって来た時期は違いますが、春雨のビーフンも中国由来の麺なのですね。
原料の違い
中国発祥の春雨とビーフン。
では何が違うのかというと・・・ズバリ原料です。
豆を原料にしているか、米を原料にしているかの違いなのですね。
春雨は緑豆デンプンでできている
春雨は緑豆(りょくとう)から採取されたデンプンが原料になっています。
緑豆は緑色をした小さな豆で、八重生(やえなり)という植物の種子です。
もやしになる豆というとわかりやすいですね。
緑豆が原料の春雨の特徴は、茹でてもコシが強いことです。
たっぷり汁を吸いこんでも大丈夫なので、スープや炒め物、サラダ、春巻きの具にも使われます。
スーパーでは、中国産の緑豆春雨がほとんどですが、国産の春雨もあります。
国産の春雨は緑豆デンプンではなく、じゃがいもデンプンや、さつまいもデンプンを使用しています。
中国産の春雨よりもやや太くて、戻すと柔らかいのが特徴。
水分を吸収しやすいのであまり長く加熱する調理には向きません。
おまけ:マロニーとは
また、加熱に強い国産の春雨もあります。
お鍋には欠かせない「マロニー」です。
マロニーは、じゃがいもデンプンにコーンスターチ(とうもろこしデンプン)を配合することによって、煮崩れしにくいコシのある麺にしています。
ただし、マロニー株式会社いわく、マロニーは春雨ではなく独自の「マロニー」とのことです。
・・・こちらも見た目そっくりなんですけどねぇ(笑)
ビーフンのでんぷんはうるち米
ビーフンはうるち米から採取したでんぷんが原料になっています。
ライスヌードルとして、中国の他に台湾などでも広く食べられています。
春雨に比べると柔らかく、水分を吸って伸びやすいという特徴があります。
最近ではコーンスターチを入れて、伸びにくくしているビーフンもあります。
調理法もその特徴から、汁物にするよりは主に炒めて食べることが多いですね。
お湯で戻して炒める方法と、そのまま炒めることができるビーフンもありますよ。
春雨とビーフン カロリーの違い
乾燥した春雨100gあたりのカロリーは、342キロカロリー。
ダイエット食のイメージが強い春雨ですが、意外にも高カロリーなのです。
ただ、インスタントのカップスープ等に入っている春雨は、約30グラムと少なく、1食分100キロカロリーほどに抑えられています。
(スープのカロリーを除く)
春雨は汁を吸って4倍にも増えるので、少量でも満足感が得られるのですね。
ビーフンは100グラムあたり376キロカロリー。
春雨とさほど変わらないカロリーです。
ケンミンの焼きビーフンを見てみると、1食で約70グラムの麺を使用していて、カロリーは217キロカロリー。
調理には油を使うので、スープで食べる春雨に比べると、1食あたりはやや高カロリーになります。
春雨とビーフンの高カロリーの理由は、原料のデンプンにあります。
デンプンは炭水化物ですから、カロリーの塊と言っても良いでしょう。
まとめ
春雨とビーフン、どちらもデンプンから作られた麺です。
そのデンプンの原料が、春雨の場合は緑豆やイモ、ビーフンは米。
原料の違いで、麺のコシに違いが出て来るのですね。
それにしても、麺を作るためにずいぶんと多種にわたった原料があるものです。
ダイエット食やお料理の際の麺選びには、原料にも注目してみるといいですね。