通販のソースをかけるだけで手軽に味わえるパスタ。
週末のランチにお母さんが良く作ってくれていました。
今では家庭で気軽に食べれるようになったパスタですが、実はあらゆる麺の中で一番歴史が古いと言われています。
※棒状の麺の中ではうどんが古いとされています。
パスタとは、小麦粉などを主体とした練り物の総称。
かつては材料をこねて成型したものを焼いて食べていたとされています。
生パスタ、乾燥パスタなどを指し、イタリアの主食の一つです。
- 「パスタの起源はやっぱりイタリアなのかな?」
- 「パスタってたくさん種類があるけど特徴はそれぞれ違うのかな?」
- 「食べ方によって使いわけているのかな?」
細かく見ていきましょう。
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パスタの歴史は2千年以上前にさかのぼる
パスタの発祥は紀元前4世紀、古代ローマ時代。
はじめはプルスというお粥料理だったそうです。
そうなんです。
意外かもしれませんが、パスタの代名詞として有名なイタリアが起源ではないのです。
現在のパスタとは程遠い、小麦粉を粗目の粉にして煮込んだ料理でした。
2千年以上前から存在していたということになります。
また、プルスを板状にして焼いたもの(テスタロイ)があり、これがピザやラザニアの起源となったんです。
当時は棒状のパスタはありませんでした。
棒状のパスタに関しては諸説あり
例えば、生パスタは13世紀ごろマルコポーロが中国から持ち帰ったという説。
その頃中国では小麦も栽培されていたし、餅(ビン)と総称される小麦製品もありました。
ですが、東方見聞録には中国の麺に関する記述がなかったため、否定されています。
また、乾燥パスタについてアラブ起源説がありました。
9世紀のアラビアの料理書にトリヤという乾燥パスタがあり、やがてイタリアでもこの言葉をパスタ一般を指すようになったのだそう。
同時にこの時代、アラブ人はシチリア島に住み着き、12世紀後半にはすでに乾燥パスタを輸出していたという記録が残っています。
中国説よりは信ぴょう性があるとされていますね。
14,15世紀になると軟質・普通質の小麦が栽培されていていた北イタリアでは生パスタが。
デュラムなど硬質の小麦が栽培されていた南イタリアでは乾燥パスタと、大きく分けて2種類のパスタがイタリアで作られていました。
栽培される小麦粉の質によってもそれぞれパスタの歴史があったんですね。
パスタ料理が世界中に広がったキッカケ
パスタ料理がイタリアの国民的料理として認知されたのは19世紀後半。
意外にも遅く感じますよね。
都市国家の集まりだったイタリアが統一されたあたりからなのです。
統一後、各地で色々なレシピが考案され、数えきれないほどのパスタ料理が食べられるようになりました。
もちろん19世紀以前からイタリアにパスタは存在していたのですが、それまでは修道士や貴族など限られた身分の人間しか口に出来ない料理だったのですね。
そして日本にパスタ料理が入ってきたのは第二次世界大戦後、アメリカを経由してです。
日本でのパスタの歴史はまだまだ浅く、新しいんですね。
日本でのパスタの歴史
日本ではパスタやカレー、ラーメンなど、様々な国の料理が大衆料理化しています。
『美味しい料理を、より日本人好みにアレンジして一般化していく』のは日本人の得意とするところですよね。
パスタの日本での歴史について、伝来から変遷を簡単に見ていきましょう。
日本にパスタが持ち込まれた時代
日本にパスタが入ってきたのは、幕末の頃。
横浜に作られた外国人居留地に持ち込まれたのがはじめと言われています。
当時の書物には「うどんのようだ」と記されているのが残っています。
どうやらスパゲッティやフェットチーネのような麺状のパスタだったようですね。
国産パスタの誕生
明治時代になると長崎市に日本初となるマカロニ工場が建設されました。
ここでめでたく国産パスタが誕生する訳ですが・・・
この時はフランス人宣教師主導の元であり、純国産パスタとは言いにくいかもしれません。
国産パスタの変遷
大正時代になって初めて日本人による国産パスタが作られたのが記録されています。
明治時代に引き続き、依然としてパスタよりもマカロニが主流でした。
昭和に入ると、より国産化が進むことになります。
ですが、まだまだ大量生産の技術(=テフロンダイス)は日本には入ってきておりませんでした。
パスタは一部のレストランなどで口にできる程度の高級食材だったのです。
現代日本からは考えにくいですよね。
昭和30年に入ると、パスタの量産が始まります。
配合から乾燥までを連続で行う、全自動式の本格的ショートパスタ製造機がイタリアから輸入されたのです。
この大量生産されたマカロニがマ・マーマカロニ(株)より発売されました。
翌年には同社の、
「古くからうどんや蕎麦などの麺類に親しんできた日本人には、ロングパスタの方が好まれるに違いない」
という判断から、ロングパスタ自動製造機も導入。
いち早くスパゲティの量産、販売を行いました。
ようやく店頭に並びはじめたパスタ。
しかし、マカロニもスパゲッティも馴染みのない食べ物だった為、発売当時の人々の反応はあまりよくありませんでした。
昭和後期になると、一気にパスタの一般化が進んでいきました。
マ・マーはじめパスタメーカー各社の普及活動や、イタリアン・パスタブームによるところからですね。
結果、その頃には「パスタと言えばマカロニよりもスパゲッティ」という現代と近い感覚にまで認知度が高まったのです。
日本における原材料の移り変わり
原料も歴史に関連し、変遷してきました。
デュラム・セモリナについて
パスタの原材料は「デュラム・セモリナ」という小麦粉になります。
デュラムセモリナの意味
- デュラム:小麦の品種名
- セモリナ:胚乳部を粗挽きする挽き方
つまり「デュラム小麦の胚乳部を粗挽きした小麦粉」という意味ですね。
このデュラム・セモリナは真っ白ではなく黄色。
パスタの黄色は小麦粉由来のものなのです。
日本初期のパスタ
日本におけるパスタは初期の頃、デュラム粉を使っておりませんでした。
製パン用の強力小麦粉を使用していたのです。
デュラム小麦が希少で高価だった事と、当時の日本人にはパスタの食感が馴染まなかったからとされています。
値段的にも食感的にも慣れ親しんだうどんやそばとかけ離れていたからと言えますね。
昭和40年頃に初めてデュラム・セモリナを強力小麦粉と混合して使用して販売されました。
その後は30%・・・50%・・・と、徐々にその混合比率を上げていき・・・
本場のパスタに対するニーズが高まっていた昭和60年頃にはデュラム・セモリナ100%使用のパスタが販売されることになりました。
そういった経緯を経て・・・
現在では、デュラム・セモリナ100%パスタが一般的となったのです。
和製レシピ
原材料は本場イタリアとほぼ同じになりました。
日本では本格的なイタリアンパスタだけでなく、独自にアレンジしたパスタが数多く登場しています。
その和製レシピとも言えるパスタをいくつか紹介させて頂きます。
ナポリタン
和製スパゲッティの代名詞ですね♪
- アメリカ産まれのケチャップソースがメイン
- パスタを茹で過ぎる
- 茹で過ぎたパスタを炒める
この辺りはイタリア人では有り得ない発想だと言われています。
名前には「ナポリ」が入っているんですけどね・・・(笑)
レジェンド級のB級グルメとして、ときおり無性に食べたくなる一品ですよね!
たらこスパゲッティ
元々はキャビアを使ってみては?という発想から始まりました。
コスト面から「たらこ」に代用した事から出来上がった和製スパゲッティです。
思いついた人・・・ありがとう(笑)
日本では一般的なパスタ料理ですが・・・
本場イタリアでも魚卵を使ったパスタは有りますが、たらこの使用は珍しい料理になるようです。
カルボナーラ
カルボナーラ自体は本場イタリアに有ります。
ですが、日本で普及しているカルボナーラとレシピが大きく違うのです。
一番の違いがどこかと言えば・・・
生クリームを使わないという事。
日本のカルボナーラだと卵と生クリームがメインのソースになりますよね。
ですから生クリームを使わない本場のカルボナーラとは全然違うものであるということが言えます。
ちょっと食べ比べしてみたくなりますねぇ(笑)
マカロニきなこ
飲食店では全く見ない料理。
実は私も食べた事も実物を見た事も有りません(笑)
ですので、私も初めてその存在を聞いた時はびっくりした料理です。
「そんなもの、どこがソースだよ!パスタだけに!」と言われそうですが・・・
実は保育士の友人に聞いたことがあるのです。
保育園や幼稚園では定番の園児に大人気のおやつだそうです。
た、確かに検索してみるとレシピがいっぱい出てきます・・・
まったくビックリですねぇ。
マカロニにきなこと砂糖をあえてスイーツ化するという、イタリア人どころか日本人でもびっくりするようなレシピが登場するのも日本人らしいですね!
パスタの種類と特徴・食べ方について
15世紀に乾燥パスタが造られ、10種類以上のパスタの名が登場しています。
中世のフィレンツェにはパスタ作りのギルドがありました。
当時パスタ作りは女性の仕事で、そこでは多くの女性が働いていたそう。
現在のパスタの種類は豊富にあり、特徴も食べ方も色々ありますね。
大きく4つに分類してそれぞれ特徴と食べ方をまとめてみました。
- ロングパスタ:長さが25センチ前後のロングにカットした棒状のパスタ。ソースをかけたり、和えたりしていただくのがメイン
- ショートパスタ:短くカットしたパスタ。種類も非常に多く、食べ方はロングパスタ同様、各種ソースをかけたり、和える。マカロニはサラダやグラタンなどにgood
- ニョッキ:つぶしたジャガイモやホウレン草・リコッタチーズ・カボチャなどが混ぜられている。味の濃いソースとの相性が抜群。クリーム煮・クリームスープにしても美味しい
- 詰め物パスタ:板状のパスタ。ひき肉や野菜・チーズを野菜で挟んでいただくラビオリや耐熱皿に材料をのっけてオーブンで焼いたラザニアなどがこれにあたる
まとめ
パスタはあらゆる麺の中で、もっとも古い歴史を持つとされていますが・・・
本場イタリアで広まったのは割と最近の話でしたね。
今ではすっかり家庭で気軽に味わえるパスタ。
昔はパスタを食べられる人は、修道士や貴族などと限られていました。
先人の知恵が長い時を経て、今のパスタの姿になったっていうのにロマンを感じますね!
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