今や国民食とも呼べるラーメン。
飲食店街を見渡せば、必ずと言っていいほど、ラーメンの文字が目に付きます。
しかし、たまにラーメンではなく、「中華そば」の文字を見かけることもあります。
「ラーメンと中華そばって何が違うの?同じじゃないの?」なんて思いませんか?
違いを詳しく見ていきましょう。
ラーメンと中華そばの違い
根本的に両者は同じ料理を指しています。
つまり、呼び方が違うだけということです。
とはいえ、現在では、系統別にされることも多いですけどね。
詳しく見ていきましょう。
ラーメンの呼び方の遷移
日本に中華麺が伝わったのは今から遥か昔の話、徳川光圀が最初に食べたという説があります。
ですが、一般庶民が食べ始めたのは明治に入ってから。
横浜や神戸などの中華街で販売されるようになり、当時は「南京そば」と呼ばれていました。
その後、中華街からコックをスカウトし、東京浅草に日本初のラーメン店「来々軒」ができます。
来々軒でのメニュー名は「支那そば(シナソバ)」でした。
全国的に広がったきっかけは、関東大震災です。
通常の店舗を持たない販売形式である屋台が増え、この屋台が関東から全国に広まるとともにラーメンも広まっていきました。
さらにラーメンの人気を加速させたのが、戦後の食料難です。
小麦粉を使うラーメンは栄養価が高く、食料難の当時は重宝され人気となりました。
「そば」と呼んでしまうと、日本の蕎麦と紛らわしいため、それぞれ「日本蕎麦」「中華そば」という名称で区別されるようになったのです。
このように時代とともに『南京そば→支那そば→中華そば』と名称が変わっていったのです。
ラーメン普及のきっかけは?
では、中華そばからラーメンへどう移っていったと言えば・・・
チキンラーメンの発売がきっかけと考えられています。
日本初のインスタント麺であるチキンラーメンが、爆発的なヒット商品になり、ラーメンという名称が全国に広まり、定着することとなりました。
このように中華そばや支那そば、ラーメンは同じ料理を指しています。
かっこいい男性のことを「二枚目」や「ハンサム」「イケメン」と、様々な表現方法が時代とともに産まれてきたことと同じことです。
ラーメンも時代とともに、呼び名が変わってきているということですね
中華そばとラーメンの定義
ここまでラーメンも中華そばも支那そばも同じものと説明してきました。
ですが、現代では、ラーメンの1ジャンルとして支那そば、中華そばがあるというような流れになっています。
なぜかというと、ラーメン自体がブームの中、様々な進化を遂げた結果、今では多種多様なラーメンがあります。
その多くは支那そばや中華そばと呼ばれていた時代とは、大きくかけ離れた料理となっています。
そのため、ラーメンと支那そばや中華そばには大きなギャップがあるためです。
※家系や二郎系など。
かつての支那そばや中華そばは、今のこってりラーメンとは違って、あっさりとした味わいでした。
そのため昔ながらのあっさりとしたラーメンの場合、ラーメンではなく中華そばや支那そばの名称で提供しているお店も多いものです。
数あるラーメン系統の中の一つとして、今でもその地位を再確立しています。
中華そばはラーメンだけど、ラーメンは必ずしも中華そばとは言えないということです。
個人的な印象としては、中華そばは中華料理屋に多い印象です。
だって、そうでしょう?
中華料理屋さんに行って、魚介濃厚つけ麺や、醤油とんこつが出てきたらビックリでしょ?(笑)
支那そばを主体としたはあまり見かけません。
ですが、かつてラーメンの鬼と呼ばれた、故・佐野実さんの「支那そばや」など、支那そばを屋号に取り入れたラーメン店で提供されています。
まとめ
中華そばもラーメンも元々は同じ料理です。
しかし今ではラーメンが多種多様にはなったため、ラーメンの中でもあっさりしたものを、中華そばという一つの系統として扱うようになっています。
以前、何かのテレビで中国人が、「ラーメンは日本食」と言っていました。
中華そばという中華料理を日本人が独自にアレンジし、ラーメンという新たな日本料理を生み出したと言っても過言ではないのかもしれませんね。