無類の麺好き日本人。
うどん、ラーメン、パスタ、そば。
麺ならなんでもござれ。
そんな中で、
「濃厚ソースに様々な具材の入った焼きそばは、もちろん麺大国の日本で生まれた食べ物だよね!?」
と思っている人も多いのでは。
実は、焼きそばの発祥地は日本ではないのです。
今回は、意外と知らない焼きそばの発祥とその由来をお送りします。
焼きそばの発祥地
焼きそばの起源は中国「炒麺」(チャオメン)だと言われています。
中華料理の1つなんですね。
名前は「そば」とつきますが、そば麺は使わず中華麺を使用します。
炒麺は中華麺を炒めて作った料理の総称となります。
その種類やバリエーションは数え切れないほどありますが、
- 具材と一緒に炒める
- あんかけ風にする
この2つのタイプがあり、味付けは、醤油、塩味などが基本です。
日本のソース焼きそばの発祥
一方、この炒麺をもとに日本では「ソース焼きそば」が誕生します。
すでに炒麺は大正時代には日本に普及していました。
ですが、当時は中華料理店にしかないメニューでした。
当時、ソース味の焼きそばは無かったのです。
では、このソース焼きそばはどのように誕生したのでしょうか。
それは遡ること、終戦の頃。
食糧難の中、安価で手に入るキャベツを具材に使用しました。
キャベツは水分の多い野菜ですので、どうしても味付けが薄まりやすいのです。
そこに、濃厚なソースで味付けすることにしたところ、瞬く間に人気が出て広まっていったと言われています。
戦争直後の闇市で、たくさんの日本人を喜ばせたであろう焼きそば。
甘くて濃厚なソースを使った焼きそばは、当時空腹を抱えた人々にとってどれほど美味しく感じられたことでしょう。
世界の焼きそば
中国で誕生し、国によって独自の進化を遂げていった焼きそばはアジア各国に存在します。
その代表的なものをご紹介します。
上海焼きそば
中国で発祥した焼きそばは、中国の中でも派生しています。
上海といえば、小龍包や上海蟹が有名ですが、上海焼きそばもメジャーです。
上海焼きそばの具材には主にチンゲンサイが使用されます。
味付けは、中国醤油。中国の醤油は見た目が濃くとても辛そうに見えます。
しかし日本のものとは異なり、砂糖が調合されているため少し甘いのが特徴。
麺はうどんよりは細く、そばよりは太いです。
台湾:焼きビーフン
ビーフンとは、べいふん=米粉で、お米を原料とした細い麺です。
ビーフン自体はアジア各国でも食べられています。
その中でも、台湾では焼きビーフンがメジャーです。
台湾ではほぼ主食扱いになるほどで、えびや野菜と一緒に塩味付けで調理するのが多いです。
タイ:パッタイ
ビーフンの一種であるパッタイ。
普通のビーフンより太めです。
タイらしく、唐辛子メインの辛い味付け。
その他に、ニラ、にんにくなど精のつく具材がたっぷり使われます。
韓国 チャプチェ
お隣の韓国の焼きそばの麺は「春雨」。
韓国の春雨はサツマイモが主原料です。
日本の春雨よりも麺が太いのが特徴。
このチャプチェは韓国でもポピュラーな料理で、家庭メニューとしてもよく食べられています。
牛肉・野菜・きのこなどを細切りにして炒めて作ります。
味付けは砂糖・醤油ななど、日本人好みな味です。
焼きそばを使った料理
焼きそばだけでも充分美味しいですよね。
でもさらに焼きそばを使った料理というものも存在します。
焼きそばパン
学生の間でも大人気の、焼きそばパン。
その名の通り焼きそばをコッペパンにはさむ、以上!
焼きそばパンは日本独自の調理パンです。
モダン焼き
お好み焼きにもたくさんの種類が存在します。
その中でも大きく分けると以下の三つとなります。
- お好み焼き(関西)
- モダン焼き
- 広島風お好み焼き
これらの中で、モダン焼きはいわゆる、お好み焼き+焼きそばのコラボレーション。
ボリューム感もあり、2つの料理が同時に食べられる一品です。
そばめし
焼きそばとご飯を炒めて作るのがそばめし。
なんせソースはご飯とも相性抜群。
よって、焼きそばとご飯を一緒にしてもとっても美味しく出来上がるのです。
そばめしは、神戸のB級グルメとしてその地位は確立済みです。
さいごに
中国から発祥した焼きそば。
その土地や、その国の人々によってバリエーション豊かに進化を遂げてきました。
日本ではソース焼きそばとして広がり、すっかり定着しました。
お祭りの屋台でも、家庭料理としても美味しく食べられています。
シーフードや野菜を具材に使えば栄養満点です。
手軽に作れますし、お子さんがいる方は是非作り方を教えてあげてみてはいかがでしょうか。