日本料理に使われる薬味には、たくさんの種類があります。
普段から料理をしていても、全ての薬味を把握している人は少ないかも知れませんね。
そこでこの記事では、日本で使われる薬味を一覧にしてまとめてみました。
きっと「こんな薬味もあったんだ」という発見がありますよ。
ぜひ参考にしてくださいね。
おまけということで、記事の後半では「世界の薬味」も一覧にしています。
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そもそも薬味とは?
薬味とは、料理に少量添えられる「香味料・香辛料」のことで、野菜・香辛料・果物といった種類があります。
薬味には、次のような役割がありますよ。
薬味の役割
- 料理の風味を増したり香りづけをする
- 料理の味を引きしめる、引き出す
- 全く別の味わいにする
また、日本料理においては「見た目を美しくする」という意味で盛り付けの重要な脇役にもなっていますね。
刺身に添えられる「ツマ」などがその例です。
健康面でも効果あり
薬味は料理をおいしくするだけでなく、健康面でも効果があります。
例えばねぎなら、次のような効果があるんですよ。
ねぎの健康効果
- 血行の促進
- 免疫力アップ
- 殺菌作用
- 食欲増進
- 疲労回復
もちろん、その他の薬味にもそれぞれ違った健康効果が認められています。
食べ過ぎに注意!?
料理をおいしくし、健康面でもいいことだらけの薬味ですが、食べすぎには注意が必要です。
薬味の食べ過ぎは、体の不調を招いてしまいます。
ねぎを例に挙げると、食べ過ぎは胃腸への刺激が強くなってしまい、胃の粘膜の荒れにつながります。
また、わさびを食べすぎると、頭痛、吐き気、味覚障害が起こることも。
何ごとも適量が肝心です。
日本の薬味一覧
具体的に、薬味にはどんな種類があるのでしょうか?
一覧にしましたので、順番にみていきましょう。
※ここでは、日本で古くから使われていたものを「日本の薬味」と定義し、ご紹介しています。
現代においては日本でもよく使われているものの、元は外国で使われる薬味であったものは「世界の薬味」として後ほどご紹介します。
野菜の薬味一覧
- 白ねぎ
- 青ねぎ
- 玉ねぎ
- にら
- 大根
- 貝割れ大根
- 三つ葉
- 大葉
- タデ
- セリ
- わさび
- しょうが
- みょうが
- にんにく
- 行者にんにく
- 菊の花
- 木の芽
- らっきょう
薬味として使われる野菜のことを「香味野菜」と言います。
香味野菜を取り入れるだけで、料理の幅がかなり広がりそうですね。
どれもこれもおなじみの薬味ですが、ひとつ異彩を放つ名前が・・・
そう「タデ」です。
「タデ」は、「蓼(タデ)食う虫も好き好き」のことわざでおなじみですが、薬味として使われている料理は・・・ちょっと思いつきませんよね。
刺身のツマとして「紫色の葉」が添えられていたり、パラパラと振りかけられていることがありませんか?
あれが「ベニタデ」です。
また、鮎の塩焼きを食べるときには「タデ酢」が添えられることがあります。
これには「ヤナギタデ」が使われているのです。
香辛料一覧
- 唐辛子
- 辛子
- 山椒(さんしょう)
「山椒」は、うなぎの蒲焼の薬味としておなじみですし、七味唐辛子には必ずと言っていいほど入っていますね。
この香辛料として使われる粉末は、山椒の木の果実の皮を乾燥したものです。
山椒って、すごく優秀な植物なんですよ。
香味野菜としてご紹介した「木の芽」は、実は山椒の若葉のこと。
花・果実も佃煮などとして食されていて、使えないところがないくらいなのです。
果実の薬味一覧
- ゆず
- かぼす
- すだち
- シークワーサー
- 梅干し
果実の中で薬味に使われるものは、柑橘類がほとんどですね。
こういった酸味が強いために生食に向かない柑橘のことを「香酸柑橘(こうさんかんきつ)」と言います。
「そのままで食べられないなら、料理に活かそう」と考えた先人たちの知恵には、本当に感心しますよね。
海産物の薬味
- のり
- かつお節
- 桜えび
- ちりめんじゃこ
海産物を薬味として使うのは、島国である日本独特の文化と言えます。
うま味たっぷりですから、いつもの料理に少し足すだけで味の印象がガラリと変わるのが嬉しいですね。
種子の薬味
植物の種子を使う薬味には「ごま」があります。
ごまは、次の3つに大別されます。
- 白ごま:どんな料理にも合う
- 黒ごま:味をひきしめる
- 金ごま:コクとうま味があり高級品
ちなみに、栄養面での大差はありません。
世界の薬味一覧
おまけで、世界で使われる薬味も一覧にしています。
現在では、日本の食卓の定番になっているものもたくさんありますよ。
野菜の薬味一覧
- セロリ
- ホースラディッシュ
- クレソン
- パセリ
- コリアンダー(パクチー)
- ミント
- ドクダミ
- ウイキョウ
- ケッパー
- バジル
- オルガノ
- ルッコラ
- レモングラス
コリアンダー、というと、少し身構えてしまうような難しいスパイスに思えますよね。
ですが、これを言い換えると、実に身近な野菜なのです。
そうパクチーです。
パクチーは東南アジアの料理に欠かせませんが・・・
独特な風味のために「食べれるか食べられないか」という議論がよく起こりますよね。
カメムシと同じ成分が含まれているだとか、遺伝子が拒否反応を起こしているだとか、嫌われる理由は様々です(笑)
香辛料一覧
- マスタード
- コショウ
- クミン
- パプリカ
- カルダモン
- アニス
- ナツメグ
- ターメリック
- シナモン
- ローリエ
- 花椒
- 八角
いわゆる西洋辛子である「マスタード」は、日本の辛子と似ているようで別のものです。
まず、原料からして違っています。
洋からしと和からしの違いはありますか。
からしの原料となる植物は十字花科アブラナ属の一年草で、その種子を乾燥させたマスタード(マスタードシード)です。
マスタードとして利用される植物は、辛味の質が異なる、ホワイト(イエロー)とブラウン(オリエンタル)で、原産地は中央アジアから西アジア、中東、地中海沿岸にかけての地域です。日本の「和からし」はオリエンタル種で、からし菜、高菜なども同じ仲間です。
イエローマスタードは薄い黄色で、穏やかな辛味であるのに対し、オリエンタルマスタードは濃い黄色で、非常に強い辛味を持っています。
引用:ハウス食品
また、マスタードは酢・砂糖・ワインなどで味付けがしてありますが、日本の辛子は水で練っているだけのシンプルなものです。
果実の薬味一覧
- レモン
- ライム
- レーズン
- クコの実
「クコの実」は中国で食べられている薬味で、薬膳スープに入れたり、杏仁豆腐のトッピングとして使われています。
種子の薬味一覧
- ピーナッツ
- クルミ
- マカダミアナッツ
- 松の実
「松の実」は、主に韓国料理やイタリア料理で使われる薬味。
韓国料理では「松の実粥」、イタリア料理では「ジェノベーゼ」などに使われます。
まとめ
日本の薬味と、おまけで世界の薬味についてご紹介しました。
こうして一覧にすると、「薬味ってこんなに種類があったんだ」と改めて気付かされますね。
料理に少し足すだけで、味を格段に引き上げてくれる薬味。
どんどん使って、料理上手になりましょう!